Ingenicoは決済ハードウェアの最大手プロバイダーの一つ。Phosはスマートフォンを決済端末に変えるソフトウェアスタートアップ。

端末大手が「スマホ即端末」への移行を生き抜く道は、端末を増やすことではなく、加盟店のスマホ上で動くソフトウェアにある。

Phosはこれまでに累計約800万ドルを調達。買収額は非公開。

ApolloはWorldlineからIngenicoを切り離し、2022年10月に推定23億ドルで非公開化した。その際、ハードウェアからソフトウェアへとますます軸足を移す戦略を明言していた。

2023年3月28日、IngenicoはPhosの買収を発表した。Phosの株主であるNew Vision 3とCM.comのベンチャー部門にとってはイグジットとなる。PhosのCEOブラッド・ハイエットは、同社の資金調達の経緯を確認したうえで、当時34人だった同部門が倍増する見込みであり、技術がまだ黎明期にあるため2年間は黒字化しない見通しだと述べた。Phosの顧客はすべてAndroid端末を使っていたが、ハイエットはiOS向けの取り組みを示唆した。これによりIngenicoはAppleの新しい「スマホ即端末」機能を土台にし、決済受け付けをサードパーティ製アプリに直接組み込める可能性がある。

Appleが「スマホ即端末」に参入したことで、ハードウェアメーカーにとってソフトウェアによる決済受け付けは生き残りをかけた課題となった。

Phosを買収する方が、Android優先の受け付け基盤を自社で一から作り直すより安く速い。

ハイエットは34人のチームを倍増させ、2年間は利益を放棄する計画。技術はまだ黎明期にある。

Appleの技術を用いたiOS版を開発すれば、従来の端末の枠を超えて、Ingenicoの決済をサードパーティ製アプリ内に組み込める。

プラットフォーム大手が脅威を現実のものとして正当化する(認知させる)とき、既存の大手が最も速く対応する方法は、すでに代替手段を構築しているスタートアップを買収することだ。

2023年3月28日の発表時点で、IngenicoはPhosのチームを倍増させ、同部門を2年間は赤字のまま維持し、Appleの「スマホ即端末」機能の上にiOS向けの取り組みを進める計画だった。統合の成果は報告されていない。

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出典

  1. Ingenico buys Phos in bet on phones as payment terminals Axios Pro Fintech Deals · axios.com ·