事業内容
TaxNote(タックスナップ)は、日本の個人事業主や副業ワーカーを日々の経費入力から確定申告の提出まで導くスマートフォンアプリだ。銀行口座を連携し、経費をスワイプまたは一括で割り当てると、アプリの会計士監修のAIが帳簿を整理して申告書を作成し、マイナンバーカードによる電子申告も内蔵されている。
賭け
日本の個人事業主はスマホで確定申告をしたいはずだという賭けだ。経費をスワイプし、AIに勘定科目を選ばせ、アプリ内で提出する。そのためにデスクトップソフトや会計士を捨てるという賭けである。
調達資本
2026年1月時点の累計調達額は約16億円(およそ1,100万米ドル)。World Innovation Lab(WiL)が主導した13億円のシリーズAに加え、みずほ銀行などからの銀行融資を含む。それ以前のラウンドはより小規模で、ステルス状態だった。
始まり
創業者の田中裕太氏は、jigendで営業に失敗した後、初期VCのサムライインキュベートで働き、シード段階からスタートアップを見ていた。自身がフリーランスになると、年金、保険、そして特に毎年の確定申告といったバックオフィスの雑務が、ばかげたほどの時間の浪費としてのしかかった。彼は経費をスワイプで記帳する海外製品を見つけ、3週間で60人の個人事業主にインタビューし、この市場は未解決だと結論づけた。2022年11月にTxToとして法人を設立し、2023年7月にアプリをリリースした。
何が起きたか
成長の原動力は製品そのものとテレビだった。App Storeの会計カテゴリーで初めて首位になったのは2025年3月2日、2025年2月にはステルスラウンドが続き、2026年1月にはWiL主導、みずほ銀行の融資を伴う13億円のシリーズA(累計16億円)を発表した。2026年の確定申告シーズン(2月16日〜3月16日)には、確定申告アプリの中で全29日間首位となり、ファイナンス総合では最高7位まで上がった。女優を起用したテレビCMが緑のロゴを全国に広めた。事業全体は9人の従業員で運営され、業務ワークフローの約90%が自動化されており、登録会員は2年間で約30倍に増えて数万人となった。
2026年6月時点でも拡大を続けている。TaxNoteは確定申告から、開業届の提出、請求書発行、資金繰り管理へと、個人事業主のバリューチェーン全体に広がっている。プロダクト主導の成長とテレビ広告を併用し、次のステップは一人で働く人々のための「社会インフラ」になることだと述べている。
既存事業者は会計士やデスクトップのパワーユーザー向けに最適化していた。TaxNoteは、毎年3月に一人で申告し、それを恐れている人向けに最適化した。そこにこそ未充足の需要があった。
スピードは実証可能な楔だった。同じ時間で競合ソフトの4倍の経費入力(手書きの18倍、Excelの40倍)という主張は、ユーザーが1回の利用で体感できるものであり、信じるしかないものではなかった。
スマホだけで完結することが、従来の二重システムの税務雑務を取り除いた。マイナンバーカードによる電子申告がアプリ内にあるため、戻るべきデスクトップのポータルもプリンターもなかった。
9人でAIネイティブな組織、ワークフローを大幅に自動化したことで、同社は人員ではなくランキング順位とテレビリーチに資金を使えた。
確定申告は毎年繰り返す山場であり、アプリに自然な獲得の瞬間を与えた。申告シーズンの全29日間にカテゴリー首位だったことで、検索意図がインストールに変わった。
応用できること
市場は既存事業者の定義の中でのみ落ち着いて見える。TaxNoteはユーザー(個人・非会計士)とデバイス(スマホのみ)で市場を切り直し、測定可能なほど速い中核フローにマーケティングを担わせた。
その後
2026年6月26日時点でTaxNoteは拡大を続けている。登録会員は2年間で約30倍に増えて数万人となり、シリーズAは獲得、機能、採用に資金を提供している。ロードマップは確定申告を超えて開業書類、請求書発行、資金繰り管理に及び、掲げる目標は日本の個人事業主のための「社会インフラ」だ。主なリスクは、デスクトップ会計の大手や会計士向けプラットフォームが同じモバイルニッチを攻めること、そして毎年2月に申告シーズンの首位を再び獲得しなければならないことである。
出典をたどる
出典
- 【挑戦者・求む】なぜ2年でユーザー数30倍、たった9名のAI組織で13億円調達──「確定申告アプリ」から社会インフラへ FastGrow · fastgrow.jp ·
- タックスナップ、シリーズAラウンドで総額13億円の資金調達を実施。サービス強化を図る ASCII.jp · ascii.jp ·
- 確定申告アプリ「タックスナップ」が、2026年 確定申告期間の全29日間にわたりApp Storeランキング確定申告アプリ内1位を獲得 PR TIMES · prtimes.jp ·
- 確定申告の“経済損失額”は約1,887億円! FNN Prime Online (PR TIMES release) · fnn.jp ·