事業内容
K1.0 AIオペレーティングシステムを用いて創薬標的の発見、資産の選定・開発、AI最適化臨床試験の実施を行い、さらに診断薬の販売も手掛けるエンドツーエンドのAIバイオテック企業。
賭けの内容
患者データで訓練されたAIは、適切な資産を選び、それを中心に試験を最適化することで、従来の臨床開発の失敗率を上回る成果を出せる。
初期資本
3億ドル超を調達。2022年6月にはブリストル・マイヤーズ スクイブから8,000万ドルのシリーズB-1を獲得(評価額約15億ドル)。
創業の経緯
2016年、腫瘍医のトマ・クロゼルと数学者のジャン=フィリップ・ヴェールによって設立されたOwkinは、製薬企業向けに臨床試験の分析を行う医療AI企業として始まり、病院データネットワークを参入障壁とした。2022年6月にブリストル・マイヤーズ スクイブが主導した8,000万ドルのラウンドで評価額10億ドル超に到達した。
起きたこと
同社は、Idorsiaの10年にわたる創薬研究から開発されたファースト・イン・クラスのEP2/EP4/DP1三重阻害薬OKN4395をライセンス取得し、K1.0オペレーティングシステムを用いて適応症の選定、試験設計、および早期有効性シグナルを得るためのデジタルツイン外部対照群の設定を行った。
その後の展開
2025年1月22日、進行固形腫瘍を対象としたOKN4395のグローバル第Ia/1b相ファースト・イン・ヒューマン試験INVOKE(NCT06789172)で最初の患者への投与が行われた。これはOwkinの資産が自社のAI最適化プログラムの下で臨床段階に到達した初の事例であり、ペムブロリズマブとの併用コホートも含まれる。
成立に必要な条件
病院データの提携により、Owkinは米国のみのAIスタートアップには到底及ばない訓練データを、特にプライバシー規制の厳しい欧州の環境で入手できた。
AIを用いて適応症を選定し患者をサブタイプ分類することは、試験失敗の主因である「誤った集団での試験」に打ち勝つ狙いである。
デジタルツイン外部対照群は、第I相の対照群にかかるコストと時間を削減する。
ソフトウェアの販売だけでなく資産を自社保有することで、試験が成功した場合の上振れを獲得できる。
応用可能な教訓
最も深いAIの参入障壁は、法的に使用可能なデータである。Owkinは病院との提携を訓練データに、次いで試験設計に転換した。資産そのものよりも、それを選んだシステムの方が重要だった。
その後
2025年1月30日時点で、OwkinのINVOKE試験は複数施設で患者登録を進めており、第Ia相の用量漸増が進行中で、第Ib相の拡大コホートが肉腫、NSCLC、卵巣がん、胃がんで計画されている。同社はOKN4395およびAIが選定した追加のパイプライン資産を進めながら、診断薬と研究サービスの販売を継続している。試験の最初のデータが、AI最適化という仮説の成否を決めることになる。
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出典
- Owkin announces first patient dosed in Phase 1 Clinical Trial of OKN4395 Owkin · owkin.com ·
- Owkin Announces First Patient Dosed in Phase I AI-optimized Clinical Trial of OKN4395 Samedan · samedanltd.com ·